アクロス福岡エイ・エフ・ビル管理株式会社

ステップガーデンのご紹介

さまざまな表情を見せる都会の山
「ステップガーデン」
ステップガーデン
「都会の山でハイキング」
開園時間:[3月~10月]9:00~18:00 [11月~2月]9:00~17:00
屋上展望台は土日祝日のみ(10:00~16:00)
雨天または足元が悪い場合は閉園していることがあります。
1階天神中央公園側、2箇所の屋外入口よりご入場下さい。
ご入場は無料です。
※アクロス福岡館内からはステップガーデン、屋上展望台に
ご入場できません。

成長を続ける山、それがアクロス福岡「ステップガーデン」。
階段状の斜面に緑があふれ、滝が流れる屋上庭園。まるで自然の山のようで「アクロス山」とも呼ばれています。訪れる人々に潤いと安らぎを与える都会の中のオアシス、都市と水と緑が共存する心休まる空間です。

天神中央公園との一体化

天神中央公園の緑が最上階まで連続して見えるように、混植大刈込手法が採用されています。植栽は各階のルーフ植込みと一段低い位置に張り出したミニプランターから構成され、大刈込みを全体におこない、一体化させております。併せて階段は、鉄骨桁プレキャストを載せたシンプルなものとし、手摺も視線面からの透過性の高いデザインにしています。

構成樹種

建物をひとつの山に見立てて、四季折々の変化を楽しめるように植栽の構成を工夫しています。竣工当初は全体で76種類の樹種、本数で約37,000本を植樹していました。その主な種類は、大刈込みは32種類15タイプで構成し、各タイプは、常緑混植・落葉混植・常落混交の混植・常緑半常緑混植の4つを基本としていました。また大刈込から突出する樹木には、ウメ・カエデ・エンジュなど23種類を、壁面を覆う下垂性の植物には、ハイネズ・コトネアスターなどの5種類を使用していました。その後樹木も成長し、風や鳥が運んだ種も芽を出し、現在では約200種類に増えています。

土壌の選定

土壌は「アクアソイル工法」という、厚さ50cmの人口土壌を使用しています。
これは、真珠岩を成分としたもので、普通の土壌の3分の1の軽さで建物への荷重が軽減されています。また、吸水性や保水性に非常に優れており、1度の潅水で約50日間水をやらなくても植物を枯らすことはありません。もうひとつの特徴として、根の成長がある程度で止まり、根が細くなるため(毛細根といいます)、根がはびこり配水管をつまらせて、建物を傷つけるようなこともありません。根が大きくならないので、樹木の高さもあまり高くならず、低木になります。耐久性にも優れており、60年間取替えが不要となっているので、管理面コスト面からも優れています。
雨水の保水力を高める為に、植栽部分以外にも人口土壌が使用されており、農薬、肥料も一切使用しておりません。堆積した落ち葉が表土となって微生物や昆虫も生息していますので、その虫を食べに鳥が集まり、実を落とし新しい植物が芽生えるという生態系ができています。

ヒートアイランド現象の緩和効果

九州大学や竹中工務店の調査によると、真夏の昼間における赤外放射温度計での測定では、コンクリート表面温度が50度以上に対し、緑化面は38度と約15度も低くなっていました。(図参照)
植物の蒸散(植物中の水が水蒸気となって植物体の表面から大気中に放出すること)により、周りの熱が奪われ周辺の温度上昇を抑制しています。また、建物の周辺、東西南北での気温の変化を観測したデータによると、通常は、南側の気温が一番高くなるはずですが、観測の結果、ステップガーデンがある南側が北側より低い温度となっていました。このようにヒートアイランド現象の緩和効果が確認されており、冷房負荷が軽減されていることが推測できます。
ステップガーデン


また、夜は冷気流の発生が確認されています。植栽の表面温度が放射冷却によって低下し、それに伴い周りの空気が冷やされて生じた冷気が吹き降ろしの風となります。(図参照)
ステップガーデンステップガーデン

排水・潅水

降雨水は、人工土壌中(厚さ50cm)に浸透・保水されますが、余剰の水は、防水保護層上にタテ・ヨコに敷設した通気透水層を経て順次自然の山の排水システムに倣い、トップフロアからグランドレベルの植込地や池へ流れるシステムとしています。また、ヨコ引系に流れ込んだ雨水は開渠・竪樋を経て、敷地東側の薬院新川へ放流されており、強雨時には、これらを通って排水効率を高めています。潅水計画としては、最上階への降雨水を地下4階の貯水槽(600t)に貯留し、これをスプリンクラーにより散水するシステムを採用しています。概ね1回のスプリンクラー散水(300t使用)で、1ヵ月間の保水が可能ですが、この潅水タイミングは植物の状態を人が見て判断することとし、定期的な自動潅水方式とはしていません。実際にはスプリンクラーの使用は多い年で年間2~3回で、それ以外は自然の雨水でまかなえています。よって貯水槽の余った雨水はろ過装置を通して、再生水をつくり、ビル全体のトイレの洗浄水に利用しています。

風対策

地上60mまでの屋上植栽のため、強風による樹木の倒れ、飛散、道路への落下防止を考慮し、寄せ植えにより、1本あたりの風圧を低減させると同時に、大刈込み全体を防風形とし、各階植栽部分での風速低減を図っています。大刈込みから突出する樹木の支柱は、活着するまでの間、簡易な竹支柱とし、支柱そのものによる被害を防止しており、また万一の飛散に備えて、パラペットにアンカーしたワイヤーで根際に結束もしています。また、定期的な強風対策として、東西両端部は植栽の密度を高めると共に、落葉の飛散防止対策として、一定範囲を常緑のみの混植とし、最上階は地被植物のみとしています。さらには、風洞実験に基づき、強風域となる箇所では刈込みから突出する植栽の樹高を制限しています。

ステップガーデン外観の変遷

PAGETOP